esaura LLC, えそら合同会社

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リモート行動観察で With / After コロナの生活者の価値観の変化を捉える

リモート行動観察で With / After コロナの生活者の価値観の変化を捉える

新型コロナウイルスの影響で、一時的に対面でのユーザー調査が難しくなった中で、各調査会社はオンラインによる調査を前面に押し出し、リモートな環境の中でも調査の継続が可能であることをアナウンスしていました。現在は感染予防を徹底するためのガイドラインや指針を定めるなどし、オフラインによる調査の受け入れも再開されてきているようです。

実はえそらでも独自のサービスとして「iinaa」というリモート行動観察調査ツールを持っており、2016年より提供させていただいています。今回はこのiinaaについて、With / Afterコロナでの行動観察の必要性を説明しつつ、紹介させていただきます。Before コロナでの事例ですが、コクヨの「しゅくだいやる気ペン」での活用についても触れています。

●iinaaは、調査参加者が自身のスマホを使って撮影を行う、リモート行動観察ツールです
●おうちの中のシーンや場所に対して、どうやっているのか、なぜそうしているのかを撮影・インタビューすることができます
●生活者が生活の現場で感じている課題や困りごとを、生活者の立場・目線で疑似体験できます

1. なぜ今、行動観察なのか

以前の記事にもあるように、行動観察は新しい製品やサービスを考える上で、それを使うユーザーを理解するために極めて有効な手段です。

1-1. コロナによって生活者の常識が変わってしまった

長期間の外出自粛や、厚生労働省より公表された「新しい生活様式」に合わせ、生活者の日常や行動パターンが変化してきています。

そうした中で、これまで普通だったことが普通ではなくなったり、逆に常識ではなかったことが常識になったりと、製品やサービスを考える上での重要な生活者の文脈が、一旦白紙になったと言えるほど大きな変化が起きています。

1-2. 現状を把握するために可視化する必要がある

生活者の常識が変化すると、当然ですが生活者が持つ価値観や悩みも(それが顕在的であれ、潜在的であれ)変化します。生活者が欲する製品やサービスを提供するためには、それを考える側もコロナ以前の常識を捨て、生活者の変化を改めて認識する必要があります。

実際に生活者が生活の現場で体験していること、感じていることをありのまま可視化することで、変化する常識の中でどのような困りごとやニーズを持っているのかも見えてくるでしょう。

1-3. これまでに無かった、顕在ニーズも生まれる

以前、ニーズの種類についての記事を投稿した中で、「ジョハリの窓」を用いて潜在ニーズの種類の説明をしました。

ビジネス版の「ジョハリの窓」。With / After コロナには、「盲目の窓」にも新しい価値が生まれてくる。

これを記述した当時、潜在ニーズの種類として最も価値が高いのは「未知の窓(生活者も企業も気がついていない)」としていましたが、生活様式が変わる中で「盲目の窓(生活者は気づいているが、企業は気づいていない)」の価値も高まっています(従来なら既に市場が成熟化し、レッドオーシャンだった領域です)。

つまり、1-2で触れたことの繰り返しになりますが、生活者の「普通」が変化する中で、新たな課題やニーズが顕在化しているはずで、それらを可視化することが、企業にとって新たな製品やサービスを考える上で重要になってくると言えるでしょう。

2. リモート行動観察活用事例:コクヨ しゅくだいやる気ペン

リモート行動観察ツールであるiinaaは、過去コクヨさまのしゅくだいやる気ペンのマーケティング戦略において、活用いただきました。今回、プロジェクトがどのような課題を持っていて、その課題に対してiinaaをどのように活用できたのか、簡単に紹介いたします。

詳しい活用事例については、弊社セミナーの「UX CARAVAN WORKSHOP」の中でも行っていますので、ご興味を持たれた場合は参加してみてください。

※リンク先は終了したイベントですが、定期的に同じシリーズが開催されています。

その他参考になる記事:

2-1. 開発当初、市場の反応はいまいちだった

もともとは「IoT文具をつくる」というテーマでスタートしたしゅくだいやる気ペンですが、当初は既存商品とコラボしながら、センサーなどを使って子どもの宿題の様子を「見守るツール」として売り出そうと考えていたそうです。一見、共働きの家庭も増えている中で社会的なニーズもありそうに見えます。

しかし、いざアンケートを取ってみると、そのコンセプトでは市場への刺さりが悪く、大変なギャップを感じてしまったそうです。コンセプトをはじめから練り直す必要がある…この時点で私たちにご相談いただきました。

2-2. 宿題の様子の動画が、新たなコンセプトのヒントに

このプロジェクトで私たちは、実際に小学生のお子様をお持ちの方に、iinaaでお子様が宿題をやっているところを撮影してもらう方向で提案しました。さらに、お父さんお母さんには普段と同じように声がけをしてもらいました。

(実際の動画を載せたいのですが、ここへの掲載はできずごめんなさい。上記のセミナーでは一部を紹介しています)

それらの動画を通し、実は自分たちは生活者のことを理解しているようでできていなかったことに気づき、改めて自分たちが解決しなければならない問題、つまり誰をどのように幸せにするのかというコンセプトを考えるヒントになったようです。

最終的に、しゅくだいやる気ペンのコンセプトは、「見守りツール」から「子どもの努力を見える化し、親子のコミュニケーションを促進するツール」として生まれ変わりました。

2-3. 生活者の体験や反応の中に答えを求める

しゅくだいやる気ペンのプロジェクトチームは、リモートでの行動観察を行った後、インタビューでコンセプトのヒアリングを行ったり、クラウドファンディングで募った応援者の方を招いてのワークショップを行ったりするなど、生活者に実際に会って話を聞く機会を繰り返し持たれています。

プロジェクトチーム全体が、生活者に目を向けることに一体感を持って取り組めるようになることも、iinaaの動画の効果だと思います。
実際、iinaaで収集した動画を、役員に企画を説明する際の材料として使用するのも有効だと仰っていただいています。生活者の現状を目の当たりにすることになるので、説得力が増すのだそうです。

3. With / After コロナにおける生活者の価値観の変化を知る

さて、今リモート行動観察が必要な理由と、過去の事例を見てきました。
1章でも触れた通り、今企業が把握できていない、家庭内で発生しているニーズ(顕在的であれ、潜在的であれ)を把握するためには、とにかくありのままを可視化してみることが重要です。

弊社のプレスリリースでも発信させていただいていますが、私たち自身でも、既にコロナ状況下での家庭内の変化を捉えるための調査を行っています。
日常が変わり、生活者がどのような事で困っているのか、是非参考にしてみてください。

まとめ:生活者の価値観が変わる今だからこそ、行動観察でビジネスのヒントを

新型コロナウイルスをきっかけに、私達の生活に対する意識や価値観は変わりつつあります。そして、生活様式の変化や生活者の態度変容の中には、あたらしい事業やサービスのヒントも眠っています。

リモート行動観察ツールであるiinaaは、家の中で起きる様々なシーンを集めることができるので、今だからこそ各家庭で起こっていることを可視化したい、見てみたい、という方は是非リモートでの行動観察を試してみてください。

iinaaは調査したい内容に合わせてカスタマイズが可能にもなっています。このタイミングに家庭の中を調査してみたい、とお考えの方はご相談に乗りますので、ぜひお問い合わせください。

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この記事を書いた人

荒嶋 英幹

ディレクター/デザイナー HCD-Net認定人間中心設計専門家

定量/定性調査設計、分析、ペルソナやシナリオ作成、UI設計、ビジュアルデザインなどなど、UXデザインプロセス全般に渡って、主に実作業を行っています。その他、行動観察ツールiinaaの開発。

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