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WORKSえそらのUXデザイン事例

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早稲田大学様|創立150周年に向けて校友会員情報更新システムを改善。納得のデザインが組織も動かしたUI刷新プロジェクト

今回は、早稲田大学様の創立150周年に向けた校友会員情報更新システムの刷新プロジェクトを支援した事例をご紹介します。

同大学では2032年の150周年に向け、約69万人にのぼる卒業生とのつながりを強化する取り組みを進めていました。校友(卒業生)向け会員情報更新システムは長年にわたり運用されてきたこともあり、現代のニーズに合わせた見直しが求められていました。限られた期間の中で、150周年にふさわしい体験をどのように実現するか、その方向性を丁寧に定めていくことが重要なテーマとなっていました。

今回のプロジェクトでは、実質2ヶ月間という短期間で、ユーザビリティの専門家によるデザインレビュー(ヒューリスティック評価)にもとづく既存画面の課題整理から、複数の改善案の比較検討、学内合意形成を支えるUIデザインのご支援を行いました。

情報企画部情報企画課の関さま、総長室経営企画課の岩崎さま、総長室校友課の松橋さまに、今回の取り組みを通じて得られた気づきや感想についてお話を伺いました。

クライアント情報/ご担当者様情報
  • 学校法人早稲田大学
  • 事業内容:
    1882年創立、日本を代表する私立総合大学。13学部・20研究科を擁し、約5万人の学生が在籍。2032年には創立150周年を迎え、教育・研究・社会貢献を通じた価値創出と、卒業生とのつながり強化に取り組んでいます。
  • ご担当者さま:
    情報企画部情報企画課 関さま
    総長室経営企画課 岩崎さま
    総長室校友課/校友会事務局 松橋さま

ご依頼前の課題と成果

<背景/課題>

早稲田大学では、2032年の創立150周年に向け、約69万人の校友との接点を強化することが重要なテーマとなっていました。しかし、校友向けの会員情報更新システムを含む既存システムは20年以上運用されており、UIが古く使いづらい状態に。さらに周年プロジェクトには明確なスケジュールがあるため、短期間の中で確かな改善方針を固めることが求められていました。

<パートナー選定理由>

過去にご一緒したプロジェクトを通じ、大学の事情や制約を理解している点を高く評価いただきました。また、限られた期間でも確かなアウトプットをまとめる姿勢に信頼を寄せていただき、150周年に向けたプロジェクトにおいても「スピードと品質を両立できるパートナー」としてえそらをお選びいただきました。

<課題に対する成果>

ヒューリスティック評価により既存画面の課題を整理し、複数の改善案を比較しながら方向性を明確にするプロセスをご提供しました。短期間でも後戻りなく進められたことで、150周年にふさわしい校友体験の基盤となるUIが完成。デザインの納得感が高く、改善方針を深めるきっかけにもなりました。

プロジェクト概要

プロジェクトメンバー
喜多 竜二 えそら合同会社 代表社員 喜多 竜二
尾崎 真紀子 株式会社フランジ 代表取締役(人間中心設計専門家) 尾崎 真紀子

インタビュー

創立150周年に向けた校友(卒業生)との接点強化

まず、今回のプロジェクトが立ち上がった背景を教えてください。

関様(情報企画部情報企画課):そうですね、やはり一番大きかったのは早稲田大学が2032年に創立150周年を迎えることです。150周年を見据えて、69万人の卒業生の方々とのつながりをより強めたいという思いが背景にありました。現役学生も卒業生も、大学に関心を持って関わっていただける状態をつくっていくことが重要だと考えています。

校友会員情報更新システムは情報企画部が運用しているのですが、既存の仕組みは20年以上調整を重ねて使ってきた結果、UIが古く、ユーザビリティも十分ではありませんでした。総長室から、150周年にふさわしい形に刷新をしたい相談があったことが、このプロジェクトの出発点です。

関様|早稲田大学 情報企画部情報企画課

まさに150周年へ向けた入口となる取り組みだったわけですね。

松橋様(総長室校友課):おっしゃる通りで、150周年に向けた入口という意識が強かったですね。卒業生の皆さまと大学との関わり方の距離感は、お一人おひとりの状況によってさまざまです。大学の取り組みに積極的に関わっていただける方もいらっしゃる一方で、お仕事や生活環境の変化などで、大学との接点が薄くなる時期がある方もいらっしゃいます。そのため、大学の取り組みを知っていただくためには、まず住所などの基本情報を更新していただき、情報を届けられる状態を整えることが欠かせません。

今回のフォーム改善は、大学と卒業生のつながりを支える“最初の接点”として、大きな意味があると捉えていました。

松橋様|早稲田大学 総長室校友課 / 校友会事務局

今回のプロジェクトは、情報企画課・校友課・経営企画課と、多くの部門が関わる体制でした。それぞれ、どのような役割で参加されていたのでしょうか。

関様:情報企画部のミッションは、大学に関わる皆さまに“快適な情報サービス”を提供することです。学生が中心ではありますが、卒業生も当然対象に含まれます。

情報企画部としては、学内の各部門から寄せられる要望を整理し、必要な要件を定めたうえで、外部の開発パートナーと協働しながら形にしていく役割を担っています。

松橋様 校友課は、大学の方針や政策をトップダウンで反映する部門です。その中で私たちは、卒業生にどのような情報を届け、どう関わっていただくかを企画する役割を持っています。校友会と連携し、卒業生コミュニティの形成も支援しています。

岩崎様(総長室経営企画課 経営企画課は、創立150周年に向けた「WASEDA VISION 150」などの中長期計画を担当しています。今回の住所変更フォーム改善は、“社会との接点強化”という大きな施策の一つであり、学内を横断して取りまとめる立場として関わりました。

岩崎様|早稲田大学 総長室経営企画課

えそらに依頼しようと思った理由

今回えそらにご依頼いただいた決め手を教えてください。

関様: そこはやはり、前回一度ご支援いただいていたという経験が大きかったです。前回別のプロジェクトでUI改善をご支援いただいていたこともあり、早稲田大学の事情を理解していただけているという安心感がありました。

また、部内のメンバーからもえそらさんはフットワークが軽いと聞いていました。今回は実質2ヶ月で進める必要があったため、スピードと柔軟さをもって対応できるパートナーが不可欠でした。

そのため、私たちの中では自然と「えそらさんにお願いしよう」という結論になりました。

スピードと質を両立できたヒューリスティック評価の採用

えそら 喜多前回ご支援させていただいた学内システムのUI改善のプロジェクトではユーザーテストを行いましたが、今回は時間面の制約やフォームの特性を踏まえて、ユーザビリティの専門家が経験則にもとづいてデザインをレビューする「ヒューリスティック評価」にもとづいて課題を整理させていただきました。この進め方については、どのように感じられましたか。

関様: 今回、ヒューリスティック評価をご提案いただけて、本当によかったです。既存UIには改善点が多くありましたが、私たちに専門知識があったわけではありません。どこが使いにくいのか、何が問題なのかを客観的な基準で整理していただけたことで、課題を正確に把握できました。

また、評価結果をもとに学内へ説明する際にも、説得力を持って行えたと思います。

松橋様:そうですね。今回卒業生69万人という非常に幅広いユーザーを想定する必要があり、議論がぶれやすい面がありました。
ヒューリスティック評価のおかげで判断軸が定まり、これは客観的に見てもこう考えるべきだよねと整理しやすくなりました。その結果、短期間でも迷わず意思決定できたのは大きかったです。

デザインが組織の意思決定を動かした瞬間

えそら 喜多リデザインに取り掛かる際に、「ここは変えなきゃ」という話をチーム内でも色々としていましたよね。尾崎さんが一番気になっていたのはどこですか?

フランジ 尾崎:一番気になっていたのは、校友会員情報更新システムのトップ画面ですね。
画面を開いてすぐに、1つの長い入力フォームになっていた構成は、改善した方が使いやすくなるのではと感じました。期間や実装上の制約を伺っていたので、トップ画面をいくつかのフォームに分割する案は簡単ではないだろうと思っていましたが、体験が大きく変わるポイントだったので、なんとか調整できないかと考えていました。

※システム要件に沿って当初進めていたワイヤーフレーム

えそら 喜多 まさに今回のプロジェクト内の議論でも“肝”になっていた部分ですね。期間が限られている中で、できるだけ実装の工数がかからない方法を選びたいという意向も伺っていましたが、最終的には「画面を分割」するという “手間のかかる” 案を採用していただきました。実際のところ、かなり難しいご判断でしたよね?

関様:やはりシステム側で定めていた前提とのせめぎ合いでした。
当初は裏側の仕組みは変えない1画面構成のままという前提で進めていました。ただ、デザインが具体化していく中で、“この形にしたほうが明らかに使いやすい”という確信が生まれてきました。

結果的にシステム側の見直しが必要になり、当初想定よりも規模は大きくなりましたが、せっかく良いデザインを作っていただいたのに、システムの都合で活かせないのは本意ではありませんでした。そこは思い切って、デザインにシステムを合わせるという判断をしました。

松橋様:私たちとしても、その判断には強く共感しました。
前提条件を守るだけでなく、より良い体験を提供したいという思いが強まりました。えそらさんが、画面構成の違いやメリット・デメリットを整理して示してくださったことで、学内への説明もスムーズでしたし、ここまで整理されているなら踏み切ろうという空気になっていったと思います。

岩崎様:経営企画課の立場から見ても、進めやすかったです。
プロトタイプを早い段階で見える形にしていただけたことで、抽象的な議論ではなく、実際の画面を見ながら判断できました。専門性が足りず言語化しにくい部分も、共通理解が持てるように整理していただけたと感じています。

フランジ 尾崎:そう言っていただけて、とても励みになります。私たちとしても、意思決定のしやすさはとても意識していました。
検討の抜け漏れが生まれないよう、一般的なUIを中心に複数案をご提示し、それぞれのメリット・デメリットを整理してお渡しすることを心がけていました。

喜多(えそら合同会社)      尾崎(株式会社フランジ)

短期間でも迷わない意思決定を生んだ進め方の工夫

えそら 喜多:今回、非常にタイトなスケジュールの中でも、大きな手戻りがなく進めることができました。実際に進めてみて、どのように感じられましたか。

松橋正直に言うと、かなりタイトなスケジュールでした。
ただ、その中でもタスクが明確で、なぜ今これを決める必要があるのかが理解しやすかったです。選択肢も的確に整理されていたので、その場での判断に迷いがありませんでした。

岩崎学内の議論は、多様な関係者が関わるため、検討の幅が広がりやすいのが特徴です。教職員それぞれに専門性があり、多面的に検討できる点は強みですが、その分、丁寧な合意形成が必要になる場面もあります。

今回は、えそらさんに選択肢をしっかり示していただき、その中から最適な案を選びきれたことで、再検討が必要になる場面はありませんでした。ここまでスムーズに進んだプロジェクトはあまり多くないと感じています。

フランジ 尾崎:デザイナーの立場から見ても、本当に助かりました。
皆さまが毎回しっかり意思決定を持ち帰り、上長の方も含めて確実に決めてきてくださったことが、短期間で進められた最大の要因だったと感じています。

「早く卒業生に使ってほしい」と思えた、納得感のあるデザイン

※完成したデザイン

完成したデザインをご覧になった際の第一印象はいかがでしたか?

関様:見た瞬間に『こうあるべきだな』と思いました。
既存の画面が古かったこともあり、早く卒業生の皆さんに使っていただきたいと感じました。また、今回の取り組みが他システムの改善にもつながっていく流れが生まれている点も、大きな成果だと思います。

松橋様:私も、非常に納得感がありました。
奇をてらったものではなく、“あるべき形”に近づいたと感じています。デザインを詰めていく中で、裏側にある構造的な課題も見えましたので、今後の改善にもつながると考えています。

岩崎様:案内する立場としても、大きな違いを感じています。
以前は、使いづらさをご指摘いただくこともあり、説明の際に慎重になる場面もありました。今回のデザインは自信を持ってご案内できますし、他システムのレベルアップにもつなげたいというモチベーションにもなりました。

最後に、このプロジェクトを振り返ってみた感想を教えてください。

関様:個人的には、本当に“初めて尽くし”のプロジェクトでした。
6月にアプリケーション側へ異動したばかりで、開発もデザインも初めての経験でした。UX/UIの理解も含め、多くの学びがあり、自分のキャリアにとって非常に大きな経験になりました。

松橋様:私も、大きな学びがありました。
複雑な意思決定構造の中で、複数部門と短期間で成果を出せたことは、とても貴重な経験でした。手戻りを防ぐ進め方や、判断をしやすくするための見せ方など、プロジェクトマネジメントの観点でも学ぶ点が多かったです。

岩崎様:私も非常に学びが多いプロジェクトで、特にUIデザインの重要性を強く実感するプロジェクトでした。
UIデザインがここまでプロジェクト全体に影響するとは、今回初めて実感しました。えそら 喜多さんのファシリテーションも含め、非常に意義のある取り組みだったと思います。

貴重なお話をいただきありがとうございました

えそらLLCでは、200以上の事業支援から得た知見をベースとしたUXデザイン支援を強みとしております。UI、UXに課題がある方は、ぜひお問い合わせください。

この記事を書いた人

加藤 佳子

マーケター/ディレクター

当社代表秘書を経て、現在は社内のマーケティング&セールス活動全般を担当。ゼロからマーケティング体制の立ち上げに従事する。 UXデザインの観点からも「よりよい顧客体験の追求」をモットーに、接点を持たせていただいたお客様に、よりよいコンテンツをお届けできるよう日々活動しています。

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