ユーザーインタビューの実施において、協力いただいたモニターに謝礼を支払うべきか、支払うのであれば、謝礼額はいくらぐらいが相場なのかなど、悩まれることも多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな謝礼への考え方について詳しく解説するとともに、モニターの募集方法についてもいくつかご紹介していきます。
目次
ユーザーインタビューとは
一般的にユーザーインタビューとは、「対象となる領域にいる生活者との対話を通じて、その人の考え方や行動を理解する」手法を指します。
事業開発においては
- アイデアやデザインの種となる仮説を生み出すため
- アイデアやデザインを検証・改善するため
という2つの目的で使われます。
では、ユーザーインタビューを行うにあたり、協力いただくモニターにはどの程度の謝礼を準備すべきなのか、内容によって変化するのかについて解説していきます。
謝礼の有無
ユーザーインタビュー実施時には、基本的に謝礼を支払うことをおすすめします。
謝礼を支払わずとも集まるモニターは
- 商品・サービスのファン層
- 極端に満足している/不満がある層
- 個人的な縁のある層
などが多くなる傾向があり、「想定されるユーザー層」とは少し異なったモニターが集まってしまう可能性が高いからです。
謝礼なしでのインタビューが一概に悪いわけではありませんが、ユーザーインタビューという調査の特性上、そのような偏った層から話を聞くことで、結果が偏ってしまう可能性もありますので注意してください。
謝礼相場の考え方について
時給換算で考える
どのくらいの金額設定が妥当なのか、と悩まれる場合は「時給換算する」という考え方をもとに基準を決めることをおすすめします。パートの主婦や弁護士では時給が異なりますので、想定されるターゲットがどの層かによって謝礼相場は変動するといっていいでしょう。
また、インタビュー会場に直接来てもらう場合は、謝礼の中に交通費相当分も含んだ金額で設定してください。
対象者の見つかりやすさを考慮する
基準が決まったら次に、「対象者の見つかりやすさ」を考慮します。
主婦や一般的な社会人を対象にする場合など、条件が緩い場合は母数が大きくなるため、謝礼額が少なめでも人は集まるでしょう。一方、医者や弁護士のようにそもそもの母数が少ない層や、特定の路線を使っているといった厳しい条件がつく場合は、謝礼額を多めに設定しておいた方が良いでしょう。
次に、インタビュー方法の違いで、謝礼が変化するかについてご紹介します。
謝礼相場はインタビュー方法によって異なる
ここでいうインタビュー方法というのは、オンラインかオフラインか、グループインタビュー(1対複数)かデプスインタビュー(1対1)かなどを指します。
オンラインであれば、自宅から参加してもらえるため、プライベートの時間を作りやすい18時以降や休日に実施することで、より多くの方が参加しやすくなりますし、対象が全国になるため、母集団が増え、より集まりやすい状態になります。よって、相場かそれより少なめの金額であっても対象者を見つけることができるでしょう。
また、デプスインタビューの場合、対象が一人ということもあり負荷が高くなりがちですので、謝礼もその分高く設定されます。
謝礼相場について
オンライン:3,000~6,000円
※いずれも60分のデプスインタビューを想定
通常、対面60分のデプスインタビューで5,000円〜、オンラインの場合は交通費がないため少し安くなって3,000円〜を設定します。
一方、医者や弁護士など、集めるのが難しい条件の場合は、30,000〜50,000円で募集をかけるといったこともあり、上記はあくまで参考値となります。
謝礼の形態・支払い方法について
ここまで主に現金を謝礼とするケースのお話をしてきましたが、それ以外にもオリジナルグッズ、イベント参加券、図書券など、謝礼の形態は様々です。
例えば、オリジナルグッズを謝礼に設定した場合はコア層が集まりがちになり、現金を謝礼に設定した場合は薄い層が集まりやすくなるといった変化も生まれるため、謝礼の形態についても一考いただくと良いでしょう。
次に、現金の支払い方法について、従来は、手渡しや現金書留での支払い方法がスタンダードでしたが、現在は、オンライン化が進んだことで、利便性の高いデジタルギフト券(Amazonギフトカードなど)を利用する企業も増えてきました。
例えば、デパートの商品券や地域通貨など、特定のところでしか使えないものを謝礼にしてしまうと汎用性が低いことから、人によってはあまり魅力に感じない場合があり、協力者が思ったように集まらない場合があるため注意が必要です。
ユーザーインタビューのモニター募集方法について
実際に謝礼を設定したところで、インタビューを受けてくれるモニターが集まらなければ始まりません。そこで、いくつか募集方法についてもご紹介します。
①専門会社に依頼をする
調査会社や、アンケート会社、リサーチ会社など名称は様々ですが、数百万人の登録者からターゲット条件にあったモニターを探してもらう手法です。コストが高く、期間もかかりますが、精度が高いというメリットがあります。
また、従来、調査会社が提供してきたリクルーティング機能をツール化したものをインタビュープラットフォームとして提供している会社もあります。インタビュープラットフォームは、調査会社に依頼するよりも安く、早く集まりますが、精度は及びません。
②既存顧客に依頼をする
既に接点のある顧客に声をかける手法です。調査会社を利用するよりも安く、早く集まります。自社サービスを自らの意思で選んだリアルな声が聞けるため、特にローンチ直後以降の改善で欠かせません。
下記のような、自社の顧客へインタビュー協力依頼をかけられるツールを利用すると、仕組み化でき、インタビューを高速化できるのでおすすめです。
参考:pivo(ピボ)
ただし、競合サービスの利用者や、退会された方の意見は聞けないため、他の募集方法と掛け合わせていくことも検討しましょう。
③従業員に依頼をする
社内の方へインタビューを依頼する手法です。偏りがあるため、アイデアの検証にはあまり向いていませんが、基礎的なユーザビリティの検証を目的とした場合は有効です。
他部署に依頼するなどで、比較的フラットな意見を聞けるようにしましょう。
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まとめ
ユーザーインタビューを実施するにあたり、どのような層にアプローチするのかを見極め、正しい募集方法を選択することが重要です。そのうえで、相場にあった適切な謝礼を設定する必要があるということをお伝えさせていただきました。
何を目的にユーザーインタビューを実施するのかを改めてご確認いただき、より良いモニターと出会える助けになれましたら幸いです。
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