新型コロナウイルスの影響で、生活者の暮らしぶりはどのように変化しているのでしょうか。消費者参加型の商品企画を手掛ける「えそら合同会社」では、ユーザーの日常の習慣の中に埋もれているニーズを発掘するため、独自の調査を行っております。
今回は「コロナ禍における宅配便に関する行動と気持ちの変化について」をテーマとしたオンラインによる行動観察調査を実施し、生活者の生の声をいくつかピックアップしてお届けします。
目次
調査概要
【調査テーマ】
「コロナ禍における宅配便に関する行動と気持ちの変化について」
【調査概要】
調査期間:2021年4月7日(水)~5月5日(水)
調査方法:オンラインによる行動観察リサーチ
調査対象:主婦層をメインとする弊社パネル
有効回答数:定性調査19サンプル
調査機関:えそら合同会社
新型コロナウイルスが流行しだしてから早1年以上がたち、感染対策を踏まえた新しい日常の習慣がそれぞれのご家庭の中でも定着してきた頃ではないでしょうか。
そこで、各ご家庭ごとに新習慣が生まれていると思われる宅配便に関する行動において、どのような変化があり、それに対してどのように感じているのかについて調査をしました。
調査の結果、変化した行動については、置き配や対面時のマスクの着用、荷物の除菌等、皆さん大きく変わることはなかったのですが、変化した行動に対して感じている気持ちの部分については、下記5つの異なる気持ちのパターンを見つけることができました。
「対面ならではのコミニュケーションの大切さに気がついた」
「感染リスクを減らす為に必要な行動をしているが、以前より不便さや課題を感じている」
「感染リスクを減らす為の行動について、やりすぎにも感じている」
「感染リスクを減らす為の工夫や行動が、良い結果をもたらせている」
「感染リスクは全く気にならないので受け取り方法に変化はない」
調査結果ピックアップ
対面ならではのコミニュケーションの大切さに気がついた
コロナ禍による宅配便の受け取り方の変化として、一番多く聞こえた声が、「置き配」でした。
自分の好きなタイミングで受け取れるという便利さをお話しする方が多かった一方で、今まで当たり前に行っていた宅配業者さんとのコミュニケーションがなくなったことに寂しさも感じているという声もありました。
またこんな大変な時代だからこそ、対面の際は感謝の気持ちを伝えるようになったという方もいました。
※詳細は、動画をクリックしてご本人の生の声をお聞きください。
(1) 対面でなくなりコミュニケーションが取れなくなり寂しい一面も
Aさん(30代/女性/会社員/既婚)
<変化した行動:置き配、受け取り後は自室で開封し中身を一個一個除菌>
(2) 相手に迷惑がかからないようにマナーとしてマスクをつけ、感謝の気持ちを伝えるようになった
Bさん(20代/男性/公務員/既婚)
<変化した行動:対面時はマスク着用>
感染リスクを減らす為に必要な行動をしているが、以前より不便さや課題を感じている
居住スペースへ感染リスクを持ち込まないように、受け取りから宅配箱の処理までを玄関先で完結しているという方もいました。
感染対策としてプラスαの行動自体は、必要と感じているものの、玄関先で箱から出してしまった荷物を運ぶ不便さが生まれているとのことでした。
また置き配をメインにしている方からは、特に飲食の宅配の時などに地べたに置かれる事に抵抗があり、台座を出して工夫しているという声もありました。
※詳細は、動画をクリックしてご本人の生の声をお聞きください。
(3) 感染が心配で宅配便の受け取りから処理まで玄関で完結も、箱から出してバラバラになった荷物を運ぶのが不便
Cさん(30代/女性/会社員/既婚)
<変化した行動:置き配、対面時はマスク着用、受け取り後はアルコールで手などを消毒、外箱は玄関で開封し居住スペースに持ち込まない>
(4)置き配をするようになったが、地べたに置かれるのが嫌で台座を出してその上に置くように察してもらっている
Dさん (30代/女性/会社員/未婚)
<変化した行動:置き配>
感染リスクを減らす為の行動について、やりすぎにも感じている
感染対策に、受け取った荷物の中身を一個一個除菌しているものの、せっかく気をつけて梱包してくれているだろうにと思うと、申し訳ない気持ちになるという方がいました。
また、あれもこれもと気をつけすぎるのは、あまりにも行き過ぎていると感じているという声もありました。
※詳細は、動画をクリックしてご本人の生の声をお聞きください。
(5) 梱包してくれた宅配便の中身を一個一個除菌することに申し訳なさを感じる
Eさん(30代/女性/会社員/既婚)
<変化した行動:置き配、受け取り後は自室で開封し中身を一個一個除菌>
(6) 対面ではマスクをつけて対応をしているが、それ以上の行動は行き過ぎていると感じる
Fさん(40代/女性/専業主婦)
<変化した行動:対面時はマスク着用>
感染リスクを減らす為の工夫や行動が、良い結果をもたらせている
置き配のお願いを玄関に貼っておくひと工夫で、宅配業者の方から喜ばれ、自身も服装を気にせず好きなタイミングで出られるようになって嬉しいとの声がありました。
さらに、気づくと届いている荷物がサプライズ的で楽しみという微笑ましいお話しも。
また、大切な飼い猫のことを考えると今まで無頓着すぎたことに気づいたという声もありました。
感染対策の為に増えたいくつもの行動も決して面倒ではなく、新しい衛生習慣ができたと前向きに捉えているようです。
※詳細は、動画をクリックしてご本人の生の声をお聞きください。
(7)玄関ドアに置き配をお願いする張り紙をしたところ、自分のタイミングで受け取れる気楽さがあり、業者にも喜ばれた
Gさん(40代/男性/在宅業/未婚)
<変化した行動:置き配(玄関ドアに置き配願いの張り紙)>
(8)飼い猫を病気にさせない為にも、今まで無頓着すぎた宅配便の不衛生さに気づけて良かった
Gさん(40代/男性/在宅業/未婚)
<変化した行動:対面時はマスク着用、受け取り後は箱全体と開封に使ったハサミにアルコールスプレーをし、ペーパータオルで拭き取り>
感染リスクは全く気にならないので受け取り方法に変化はない
神経質ではないので、自分自身はコロナの感染リスクなどは気にならない為、宅配便に関する行動に特に変化はないという声もいくつかありました。ただ、他人もそうとは限らないので、荷物を送る側になった際は、除菌をするなど相手に対しての配慮はきちんとしているとお話しする方もいました。
※詳細は、動画をクリックしてご本人の生の声をお聞きください。
(9)自分自身は全く気にならないが、他人もそうとは限らないので荷物を出す側になったときはしっかり除菌している
Iさん(20代/女性/パート/既婚)
<変化した行動:自分が受け取る宅配便には特に変化なし。他人への荷造り時はしっかり除菌>
(10)大雑把な性格なのでそこまで気にしていないし、少々大丈夫だと思っている
Iさん(20代/女性/会社員/既婚)
<変化した行動:特に変化なし>
まとめ
いかがでしたか?
ネガティブな声ばかりが聞こえてくるかと予想していましたが、置き配という選択肢が増え喜んでいる方、コロナ禍をきっかけにダンボールの不衛生さに気づけて良かったなど、いくつかの前向きな声もありました
特に注目したのは、置き配にすることで宅配業者さんとのコミュニケーション部分での寂しさを感じているという声や、届いた荷物を除菌することに対して、梱包してくれた相手へ申し訳なさを感じるという声。
何人もの人の手を介して届く荷物は不衛生である一方、そこに携わってくれた方たちのことまでを考えると、感染対策として必要と思ってとっている行動に、寂しさや罪悪感のようなものを感じてしまうという、コロナ禍ならではの消化不良のようなものを感じてしまいました。
「withコロナ」に求められるものは何なのか?
えそらでは今後も生活者のリアルな声の中に、そのヒントを探っていきたいと思います。
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