esaura LLC, えそら合同会社

新規事業開発ナレッジ新規事業開発に関するえそらLLCならではのTipsやノウハウをお届けしています

新規事業の仮説検証はこうやる!具体的な手順や使えるフレームワーク

「新規事業のアイデアはあるけれど、仮説検証のやり方がわからない」
「せっかく立てた仮説も、検証方法が曖昧だから、結局何も学べていない」

このような課題は、新規事業に挑戦する多くの方がぶつかる壁です。

多くの新規事業が失敗する理由は、アイデアが悪いからではありません。その事業が本当に市場に求められているのかを、科学的に調べる方法を知らないからなのです。

新規事業の仮説検証をきっちり行うだけでも、成功確率は格段に向上します。

【この記事を読むと得られるメリット】

  • 仮説検証の基礎となる「仮説の種類」から理解できる
  • 具体的な仮説検証のプロセスを実践できるようになる
  • ユーザーインタビューやMVPテストなど具体的な手法がわかる

的確な仮説検証があれば、大きな失敗はまずしません。だからこそ、ときには大胆に行動できます。本記事から、そのための方法論をお持ち帰りください。

1. 最初に知っておきたい「仮説」の種類

仮説と一言にいっても、さまざまなものがあります。まずは新規事業の仮説検証に有用性の高い、「価値仮説」と「成長仮説」を押さえましょう。これらはリーンスタートアップの創始者エリック・リースが提唱したものです。

  1. 価値仮説(Value Hypothesis)
  2. 成長仮説(Growth Hypothesis)

1-1. 価値仮説(Value Hypothesis)

価値仮説は、「自社が提供する製品・サービスが、顧客にとって本当に価値あるものになるか?」を検証する仮説です。

「価値仮説」を示した図。価値仮説は顧客の課題と提供価値の検証。

単に “機能” を提供するだけでなく、 “顧客の課題” を根本的に解決し、お金を払ってでも継続的に利用したいと思える価値を創出できるかが問われます。

価値仮説の検証で重要なのは、実際にプロトタイプやMVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)を顧客に体験してもらうことです。机上の理論ではなく、リアルな使用感や満足度を測定したうえで、 “想定した価値” と “実際に感じる価値” のギャップを見つけます。

たとえば、ネット靴店Zapposの創業者ニック・スウィンマーンは、ECサイトを構築する前に、地元の靴店で商品の写真を撮影してWebサイトに掲載し、注文があった時点で実店舗から購入して顧客に発送するという手法を取りました。この方法により、在庫投資なしで「人々は本当に靴をオンラインで購入するのか」という価値仮説を検証したのです。

価値仮説の検証では、「顧客が実際にお金を払ってでも使いたいと思うか?」という点が最も重要です。単なる興味や好感ではなく、 “具体的な購買行動につながる価値を提供できているか” を見極めます。

1-2. 成長仮説(Growth Hypothesis)

成長仮説は、価値ある製品を提供できることが確認された後に、「どのような仕組みで顧客が継続的に増えていくか?」を検証する仮説です。

成長仮説」の図。成長仮説は顧客数がどのように増えるかの仕組みを検証。

口コミによる自然な拡散なのか、有料広告による集客なのかといった、具体的な成長メカニズムを想定しておく必要があります。

たとえば、Dropboxは広告による顧客獲得コストが高いという課題に直面した際、「ユーザーは無料ストレージという報酬があれば、自ら友人を紹介してくれるはずだ」という成長仮説を立てました。そして、友だちを紹介すると双方に容量がプレゼントされる “紹介プログラム” を導入して、ユーザー数を爆発的に増やしています。

成長仮説の検証では、顧客の行動データを継続的に計測し、想定した成長パターンが実現するかを確認することが重要です。定性的な感想ではなく、紹介率や継続率、チャネル別の獲得効率などの定量的な指標で評価します。

成長仮説が正しければ、マーケティング投資をさらに広げて、事業規模を拡大できます。一方、仮説が外れている場合は、顧客獲得チャネルやリテンション戦略の再設計が必要です。

2. 新規事業の仮説検証は第三者からのレビューが有効

さて、検証すべき仮説の種類を理解したところで、すぐに検証計画を立てたくなるかもしれません。しかし、その前に一度立ち止まり、第三者からの客観的なレビューを受けることを強くおすすめします。

なぜなら、多くの事業の当事者は、事業への強い思い入れによって、視野が狭くなっているからです。希望的な観測が、冷静な判断を曇らせてしまいます。

本格的な検証プロセスに入る前に、第三者レビューのステップを挟むだけで、その後の検証の質と、事業全体の成功確率は格段に向上します。

レビューを依頼する相手は、新規事業の立ち上げ経験がある社外のメンターや、異業種の経営者、あるいは事業支援を専門とするコンサルタントなどが理想的です。

えそらLLCでは、上記のようなアイデアレビューをしたい方へ、無料でカジュアル相談を実施しています。

新規事業の壁打ち相談を案内する画像。えそらLLCが提供する無料カジュアル相談サービスの告知。

第三者視点で意見やアドバイスが欲しい方には、その場でお答えする形で、無料でご相談いただけます。悩みや相談内容が、まだ整理されていない状態でもまったく問題ありません。お気軽にお申し込みください。

通常の「お問い合わせ」はこちらから

3. 新規事業の仮説検証を行う基本の流れ

さて、続いて新規事業の仮説検証は、どのような流れで行うのか、その手順を見ていきましょう。

  1. ステップ1:検証すべき「仮説」を言語化する
  2. ステップ2:成否を判断するための「検証計画」を立てる
  3. ステップ3:最小コストで検証を「実行」する
  4. ステップ4:結果から「学び」を得て次のアクションを決める

3-1. ステップ1:検証すべき「仮説」を言語化する

仮説検証の第一歩は、検証対象となる仮説を明確で具体的な文章として表現することです。

アイデア段階では漠然とした想定が多いため、これを検証可能な形に落とし込む作業が必要です。

【効果的な仮説言語化のポイント】

  • 検証したい行動を具体化する: 「実際にお金を払って継続利用する」など、事業成功に直結する顧客行動を検証対象にします。興味関心などの意向調査と実際の行動には、大きなギャップがあるからです。
  • 定量的指標を組み込む: 「多くの人が」「確実に売れる」のような曖昧な表現は使わず、「継続利用者の70%以上が」など、後で測定できる数値で表現します。
  • 前提条件を明文化する: 仮説の背景にある顧客特性や利用条件を明確にします。「週3回以上コンビニ弁当を食べる20〜30代男性会社員において」のように、仮説が成立する条件を定義しましょう。

言語化された仮説は、チーム内での共通認識の形成にも役立ちます。曖昧な想定のままでは、メンバー間で理解にズレが生じ、検証の方向性がブレてしまうからです。

3-2. ステップ2:成否を判断するための「検証計画」を立てる

仮説を言語化した後は、それをどのように検証し、どの基準で合否を判断するかの計画を策定します。

【検証計画で決定すべき要素】

  • 検証手法を選定する: 仮説の種類や利用できるリソースを考慮して、最も効率的に学びを得られる手法を選びます。ユーザーインタビューやMVPテストなど、複数手法の組み合わせも有効です(手法の詳細については、後ほど詳しく解説します)。
  • 成功基準を数値化する: 仮説が正しいと判断するための定量的なしきい値を設定します。「インタビュー対象者の70%以上が同じ課題を挙げる」「試作品の継続利用率が30%を超える」など、明確な合格ラインを定めましょう。
  • 検証規模と期間を設定する: 統計的に意味のあるサンプル数と検証期間を決定します。具体的に必要な数はそれぞれのケースによって異なりますが、コストと時間の制約も加味しながら検討しましょう。

「仮説が否定された際に、どのような代替仮説を立てるか、次にどの要素を検証するか」を事前に想定しておくと、スピーディーに方向転換が図れます。

3-3. ステップ3:最小コストで検証を「実行」する

検証計画が固まったら、実際に検証を実行する段階に入ります。

この段階では、「できるだけ低コストかつ短期間で必要な学びを得ること」にフォーカスしましょう。

【効率的な検証実行のアプローチ】

  • 段階的に検証を進める: いきなり大規模な検証を行うのではなく、小さな実験から始めて徐々に規模を拡大します。たとえば、「5人へのインタビューで傾向をつかみ、20人のアンケートで仮説を確認し、50人のテストで検証する」という具合に段階的に行います。
  • 並行検証を実施する: 複数の仮説を同時に検証すれば、検証期間を短縮できます。たとえば、ユーザーインタビューと価格テストを並行して実施し、効率的に多くの判断材料を集めましょう。
  • リアルタイムに調整していく: 検証実行中に予期しない発見があった場合、柔軟に計画を調整します。当初の想定とは異なる課題が見つかったら、追加の質問項目を設けて深掘りします。

検証実行では、計画で定めた指標を正確に測定することが重要です。データ収集の漏れや測定ミスがあると、せっかくの検証が無駄になってしまいます。

3-4. ステップ4:結果から「学び」を得て次のアクションを決める

検証の最終ステップは、得られた結果を分析して具体的なラーニング(学び)を抽出し、次のアクションを決定することです。

仮説検証の真の目的は、仮説の正否を確認することではなく、得られた洞察を事業に活かすことにあります。

【結果分析と学習のプロセス】

  • 定量・定性データを分析する: 数値データだけでなく、インタビューでの発言や観察された行動パターンも含めて総合的に分析します。数字の背景にある顧客の心理や状況まで、深い理解を目指しましょう。
  • 仮説修正とピボットの判断をする: 否定された仮説については、部分的な修正で対応可能か、根本的な方向転換(ピボット)が必要かを判断します。顧客セグメントの変更・価値提案の見直し・収益モデルの変更など、修正レベルに応じた対応策を決定します。
  • 次回の検証計画を策定する: 今回のラーニングを踏まえて、次に検証すべき仮説と検証方法を計画します。検証で明らかになった新たな疑問点や、より深く掘り下げるべき要素を整理して、すぐに次の行動をスタートしましょう。

「早い段階で誤った仮説を発見し、修正すること」こそ、仮説検証の意義です。検証して、学びながら変えていくサイクルを回していきましょう。

4. 効果的な仮説検証を行うための手法やフレームワーク

次に、より実践的な手法が知りたい方のために、代表的な手法やフレームワークを解説します。

  1. ユーザーインタビュー:定性的に顧客の声を検証する
  2. MVPテスト:定量的にニーズを検証する
  3. リーンキャンバス:事業全体の仮説を1枚の紙で見える化する
  4. バリュープロポジションキャンバス:顧客の課題と提供価値を一致させる
  5. AARRRモデル:ユーザーの行動を計測し改善のボトルネックを発見する

4-1. ユーザーインタビュー:定性的に顧客の声を検証する

ユーザーインタビューは、顧客に直接話を聞くことで仮説の妥当性を確かめる、最もベーシックでありながら有効性の高い手法です。

とくに「どんな顧客が、どんな課題を抱えているのか?」という仮説を検証する際に威力を発揮し、アンケートの数値だけでは見えない本音や、潜在的なニーズを深く理解できます。

【効果的なインタビュー実施のコツ】

  • オープンクエスチョンで語ってもらう: 「はい・いいえ」で終わる質問ではなく、「そのとき、どう感じましたか?」「なぜそう思うのですか?」といった、相手が自由に語れる質問を投げかけましょう。予想外の重要なヒントが得られるはずです。
  • 「今」の行動を聞く: 「こうだったらいいな」という理想論ではなく、「普段はどうしていますか?」「困ったときは、どんなツールを使いますか?」など、現在の具体的な行動や事実に基づいた質問が、仮説検証には有効です。
  • 感情の「深さ」と「頻度」を探る: 「その課題に、どのくらいイライラしますか?」「月に何回くらいその問題で困りますか?」といった質問で、課題の深刻度を定性的に把握しましょう。
  • 現場で話を聞く: 可能であれば、顧客が実際に製品やサービスを使う職場や生活の場(自宅など)でインタビューを行いましょう。現場の空気感も含めて、リアルな情報を収集できます。

注意点としては、自分たちの仮説を証明しようとしないことです。あくまで中立的な立場で、顧客の本音を引き出すことに徹してください。

インタビューについては、「現役リサーチャー直伝!ユーザーインタビュー11のテクニック【保存版】」の記事も参考にしてみてください。

4-2. MVPテスト:定量的にニーズを検証する

MVPテストは、必要最小限の機能を持つ製品(MVP)を使って、市場の反応を検証する手法です。

前出のインタビューが「顧客の気持ち」を理解するのに対し、MVPテストは「顧客の実際の行動」をデータで測定する点に大きな違いがあります。

MVP検証を行わない場合と、MVP検証を行う場合の違いの図

出典:MVPで新規事業を成功に導く!実践ガイドと成功事例6選

MVPは、パーフェクトな完成品である必要はありません。検証したい仮説を確かめるために必要な機能や体験だけを提供し、コストを抑えて市場ニーズを測ります。

【MVPテストの多様な形式(一例)】

  • ランディングページMVP: サービス概要と申込フォームだけのWebページを作り、実際の申込数でニーズの有無を測定します。低コストで需要を検証できる有効な手段です。
  • プロトタイプMVP: 主要な機能だけを実装した試作品を一部のユーザーに提供し、実際の利用状況や継続率をデータで測定します。
  • コンシェルジュMVP: システムが未完成でも、人力でサービスを提供し、顧客の反応を見ます。たとえば、旅行予約システムを組む前に、スタッフが電話とメールで予約を代行し、そもそも需要があるのかを確認します。

MVPについては、「MVPで新規事業を成功に導く!実践ガイドと成功事例6選」の記事もあわせてご覧ください。

4-3. リーンキャンバス:事業全体の仮説を1枚の紙で見える化する

リーンキャンバスは、新規事業のビジネスモデルを構成する9つの要素を、1枚のシートに整理するフレームワークです。事業に関する無数の仮説を、網羅的かつ視覚的に捉えられます。

リーンキャンバスの構成要素(顧客課題・価値提案・チャネル・収益構造など)をまとめた図解。

出典:ビジネスモデルキャンバスとは?基本から活用事例まで徹底解説

【リーンキャンバスを構成する9つの要素】

  • 顧客セグメント: どのような人がターゲットなのか
  • 顧客の課題: 顧客が感じている解決すべき課題
  • 独自の価値提案: 顧客に対して、どのような独自の価値提供ができるか/なぜこのサービスなのか/類似のサービスに比べて選ばれるポイント
  • ソリューション: その課題をどのように解決するか
  • チャネル: 顧客へどのようにアプローチするか
  • 収益の流れ: おもな収益モデル(サブスクリプション、単品販売など)を特定/顧客ごとに異なる収益の流れを分析
  • コスト構造: 固定費と変動費を区分/収益に大きな影響を与えるコスト要素を特定
  • 主要指標: 成功と呼べるには、何の数値が上がればよいか
  • 圧倒的優位性: 他社には真似できないポイント

このフレームワークの最大の利点は、事業全体を俯瞰し、仮説同士の論理的なつながりを確認できることです。

個々の仮説が正しくても、全体として一貫性がなければ事業は成功しません。リーンキャンバスは、そうした全体最適の視点を保つのに役立ちます。

4-4. バリュープロポジションキャンバス:顧客の課題と提供価値を一致させる

バリュープロポジションキャンバスは、「顧客が本当に求めていること」と「自社が提供できる価値」が、きちんと一致しているかを確認するためのフレームワークです。

顧客の課題と自社の提供価値を対応させた「バリュープロポジションキャンバス」の構成図。

出典:ビジネスモデルキャンバスとは?基本から活用事例まで徹底解説

【バリュープロポジションキャンバスの活用方法】

  • 顧客の解像度を上げる: たとえば 「効率的に資料を作りたい(顧客のやりたいこと)」「手作業での入力が面倒だ(悩み)」「上司に褒められたい(得たいこと)」など、顧客の状況を具体的にリストアップします。
  • 提供価値と対応付ける: 顧客のそれぞれの「悩み」や「得たいこと」に対し、自社のどの機能が応えられるのかを明確に結びつけます。
  • 提供できていない価値(ギャップ)を見つける: 顧客が抱える重要な課題を解決できていない部分や、求めているメリットを提供できていない部分を見つけ、製品改善のヒントにします。
  • 価値提供の優先順位を決める: すべてのニーズ同レベルで応えようとせず、顧客が最も重要だと感じる課題の解決にリソースを集中させることも重要です。

この手法の強みは、顧客への深い理解と、それに基づいた価値設計を同時に行える点にあります。顧客に本当に求められる製品(プロダクトマーケットフィット)を生み出すうえで非常に有効です。

関連記事として、「ビジネスモデルキャンバスとは?基本から活用事例まで徹底解説」もあわせてご覧ください。

4-5. AARRRモデル:ユーザーの行動を計測し改善のボトルネックを発見する

AARRR(アー)モデルは、顧客がサービスを使い始めてから収益に至るまでの一連の行動を5つの段階に分け、それぞれの段階を数値で管理するフレームワークです。

Acquisition(獲得)、Activation(利用開始)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益)の頭文字から名付けられました。

AARRRモデルの各ステージ(獲得・利用開始・継続・紹介・収益)を示したフレームワーク図。

このモデルを使うと、事業成長のどこに問題があるのか(ボトルネック)を特定し、改善すべき点の優先順位を明確にできます。

【AARRRモデルの各段階】

  • Acquisition(獲得): 顧客が製品・サービスを知り、初めてサイトなどを訪れる段階です。Webサイト訪問数や広告からの流入数を測定し、マーケティング施策の効果を評価します。
  • Activation(利用開始): 顧客が製品・サービスの中心的な価値を初めて体験する段階です。会員登録率や初回購入率などが指標となり、ここでの体験が悪いと、その後の利用にはつながりません。
  • Retention(継続): 顧客が製品・サービスを繰り返し利用する段階です。週次・月次の継続率などを測定し、この数値が低い場合は、製品そのものに問題がある可能性を疑います。
  • Referral(紹介): 満足した顧客が、友人などに製品・サービスを紹介してくれる段階です。口コミの数や紹介経由の新規登録数を計測します。このサイクルが回ると、顧客獲得コストを大幅に下げられます。
  • Revenue(収益): 事業として継続的な収益を生み出す段階です。有料会員への転換率や平均顧客単価などを分析し、事業の最終的な収益性を評価します。

AARRRモデルは、限られたリソースを最も効果的な改善ポイントに集中させるために役立ちます。

5. 仮説検証で陥りやすい罠と回避策

最後に、仮説検証を実践するうえで多くの人が陥りがちな「罠」を知っておきましょう。

  1. 自分に都合の良いデータばかり集めてしまう(確証バイアス)
  2. 検証結果を無視して最初の計画に固執してしまう
  3. そもそも検証すべき仮説の解像度が低すぎる

5-1. 自分に都合の良いデータばかり集めてしまう(確証バイアス)

確証バイアスとは、自分の考えを支持する情報ばかりに目が行き、それに反する情報を無意識に無視してしまう心理的な傾向です。

仮説検証の場でも、自分たちの仮説を裏付けるデータだけを重視し、否定的な意見や数値を軽視してしまうことがよくあります。

すぐにできる対策としては、チーム内に「あえて反対意見を言う役割のメンバーを作りましょう。

「本当にそういえるのか?」「別の解釈はできないか?」と問いかける存在が、チームの思考の偏りを防いでくれます。

社内のメンバーだけでなく、利害関係のない第三者にも検証結果を見てもらうこともおすすめです。客観的な意見は、自分たちでは気づけないバイアスを発見するのに役立ちます。

5-2. 検証結果を無視して最初の計画に固執してしまう

せっかく仮説検証を行っても、その結果が想定と違うからといって、見て見ぬふりをして当初の計画に固執してしまうケースがあります。

これまでかけたコストを惜しむ気持ち(サンクコスト効果)や、計画を変えることへのプライドが原因となります。

対策としては、「継続率が15%を下回ったら、ターゲット顧客を見直す」のように、どんな結果が出たら計画を見直すかを、あらかじめ具体的に決めておきましょう。感情的な判断を避けるために役立ちます。

また、そもそもピボット(方針転換)を恥じたり失敗と感じたりする姿勢そのものが問題ともいえます。

検証結果から新しい発見があれば、どんどん方向転換していく柔軟性と身軽さで、新規事業を成功させましょう。

5-3. そもそも検証すべき仮説の解像度が低すぎる

「このサービスは売れるはずだ」「きっとユーザーは喜ぶだろう」といった漠然とした仮説では、どれだけ丁寧に検証しても、意味のある学びは得られません。

仮説の解像度が低いと、検証方法も曖昧になり、結果の解釈も人によってバラバラになってしまいます。

解像度の高い仮説は、それ自体がプロジェクトの明確な指針となります。何をすべきかが具体的になるため、チーム全体の足並みがそろい、効率的な検証活動が実現するのです。

以上、3つの罠を解説しました。このような罠にはまるのを避けたい方は、ぜひ無料のカジュアル相談をご活用ください。新規事業を知り尽くした第三者の視点から、仮説検証をしっかりお手伝いします。

新規事業の壁打ち相談を案内する画像。えそらLLCが提供する無料カジュアル相談サービスの告知。

ご質問やご相談はもちろん、考えがまとまらない段階での「壁打ち相手がほしい」といったご要望でも大歓迎です。どうぞお気軽にお申し込みください。

通常の「お問い合わせ」はこちらから

6. まとめ

本記事では「新規事業の仮説検証」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

最初に知っておきたい「仮説」の種類として以下を解説しました。

  1. 価値仮説(Value Hypothesis)
  2. 成長仮説(Growth Hypothesis)

新規事業の仮説検証を行う基本の流れは以下のとおりです。

  1. 検証すべき「仮説」を言語化する
  2. 成否を判断するための「検証計画」を立てる
  3. 最小コストで検証を「実行」する
  4. 結果から「学び」を得て次のアクションを決める

効果的な仮説検証を行うための手法やフレームワークをご紹介しました。

  1. ユーザーインタビュー:定性的に顧客の声を検証する
  2. MVPテスト:定量的にニーズを検証する
  3. リーンキャンバス:事業全体の仮説を1枚の紙で見える化する
  4. バリュープロポジションキャンバス:顧客の課題と提供価値を一致させる
  5. AARRRモデル:ユーザーの行動を計測し改善のボトルネックを発見する

仮説検証で陥りやすい罠は以下のとおりです。

  1. 自分に都合の良いデータばかり集めてしまう(確証バイアス)
  2. 検証結果を無視して最初の計画に固執してしまう
  3. そもそも検証すべき仮説の解像度が低すぎる

新規事業の仮説検証が適切にできれば、大胆なチャレンジもしやすくなります。ぜひ、仮説検証を強みにして、数々の新規事業を成功に導いてください。

監修者

喜多 竜二

えそら合同会社 代表社員/HCD-Net認定人間中心設計専門家

2009年にUXデザインを専門とする「えそら合同会社」を設立、これまでに新規事業をはじめとする200を超える事業を支援してきた。自身は人をより良く理解するための認知心理学を専門とし、生活者に対する共感を出発点としたアイデア創出に力を入れている。東京大学工学部卒業、シドニー工科大学大学院修了。

成功する新規事業アイデアを生み出す7ステップ

新規事業の進め方がわかる!顧客がほしがるプロダクトになるために超えるべき7つの問いを解説しています。

資料をダウンロードする

UXデザインを学べる無料セミナーを開催しています

えそらLLCの無料セミナー一覧

新規事業開発のアイデア出しや、既存サービスの改善に活かせるデザイン手法やノウハウを紹介しています。毎月無料で開催中!

最新のセミナー一覧を見る

Facebook

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報があなたのFacebookページに届きます。

Twitter

「フォローする」ボタンを押すと、最新情報があなたのTwitterに届きます。

DOWNLOAD会社案内ダウンロード

私たちの強みや
実績をまとめた
会社案内を
ダウンロードいただけます。

会社案内ダウンロード

CONTACTお問い合わせ

新規事業や
UXデザインについての
ご相談を
お待ちしております。

お問い合わせ