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リモートワークで起きるコミュニケーション7つの課題と10の対策

リモートワークで起きるコミュニケーション7つの課題と10の対策

みなさんの会社では、リモートワークでのコミュニケーションは円滑に行われていますか?

新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で、半ば強制的に、在宅でのリモートワークを余儀なくされた方も多いと思います。幸いにも当社は、以前よりリモートワークを導入しており、さらに2019年末のオフィス移転をきっかけに、本格的にリモートワーク中心に舵を切ったところでのコロナショックでした。

徐々にリモートワークに移行してきた私たちでも、主に「お互いにその場にいない状態でのコミュニケーション」という面で試行錯誤がありました。これまでの文化・慣習には基本的には無かったものですから、リモートワークにおけるコミュニケーションに最初から長けているという人はいません。初期には多くの問題にぶつかると思います。

しかし、リモートワークで起こりがちなコミュニケーションの問題は、実際には対処可能なものばかりです。 私たちがこれまでに遭遇した問題と、それをどのように克服してきたのかを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1. コミュニケーションに失敗してしまうパターン

コミュニケーションに失敗してしまうパターン

まずは、リモートワークにおけるコミュニケーションで、どのような問題が起きがちなのかを見てみましょう。基本的には皆さん、チャットやメール、オンライン会議などの、遠隔でもコミュニケーションを簡単に取るためのツールを利用されていると思いますので、その中で起きることを中心に。

1-1. 情報を正しく理解してもらえない/誤解が生じる

お互いの背景や前提がずれていると、発信者側が正しく発信していたとしても、受け手側がその通り受け取っていない場合があります。また端折った結果言葉足らずだったということもあります。
オフィスワークであれば表情や対話で反応が見え、説明が不足していることに気づけますが、特にテキストでのコミュニケーションではどこまで説明するかを適切に予測する必要があります。

1-2. 情報の伝え忘れ/抜け漏れや寸断が発生する

伝達漏れ自体はオフィスワークでも起きがちではありますが、リモートワークでもやはり生じてしまいます。お互いに直接対面する機会が減ってしまうことで、顔を見て思い出すといったことも減ってしまうため、個人的にはリモートワーク時の方が生じやすいとも感じています。

1-3. 伝えた情報を忘れる/何度も伝えなくてはならなくなる

こちらもオフィスワークでも起きがちではありますが、リモートワーク環境下ではさらに生じやすいと思います。個人的にはテキストベースや画面越しの会話の内容は、周囲の環境に変化が無いため意外と記憶に残りにくい・記憶が混同しやすいと感じていて、細かくメモしていないと「これ前に伝えたっけ」となりがちです。

1-4. 情報が間違ったニュアンスで伝わってしまう

オンラインでは表情や声色などの非言語的な情報が伝わりにくく、特に否定的、断定的な表現は思った以上に相手に冷たく伝わっている場合があります。結果的に相手に思わぬプレッシャーを与えていたり、不信を抱かせたりしている場合があります。
また逆に、本人的にはとても急いでいるのに「できれば◯日までにお願いします」といった婉曲的な表現を使い、緊急性が伝わらないといったことも、テキストのコミュニケーションでは起きがちです。

1-5. 情報のやり取りに手間がかかる

テキストの場合は口頭で説明するのに比べて詳細に記述する必要があったり、それを避けてビデオ会議にしようと思っても、相手の状況を意識して後回しにしてしまったりと、ちょっとした情報の共有を行うにもオフィスワークの場合と比べて時間がかかってしまいます。

1-6. タイムリーに情報が伝わらない/手に入らない

ちょっとした共有したい情報があっても、わざわざテキストに起こすのは面倒なので後回しにしたり、相手が忙しいかもしれないとオンライン会議を敬遠したりと、オフィスワークであればスピード感のあった情報共有がオンラインだとタイミングを逃しがちです。

1-7. 情報が伝わったのかどうかすぐにわからない

チャットの場合、相手がリアルタイムにその情報を見ているとは限らないので、受け手側による返信や反応がないと、情報が伝わったのかどうかが発信者側からはわかりません。
また、オンライン会議の場合でも、自身が発した内容にリアクションが無いと聞こえてないのか意味がわからなかったのかと不安になりがちです。

2. オンラインコミュニケーションで失敗しないために

オンラインコミュニケーションで失敗しないために

失敗パターンで見たようなオンラインコミュニケーションの失敗を起こさないようにするために、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。

テキストによるコミュニケーションの場合、オンライン会議でのコミュニケーションの場合それぞれで、以下のような対策がとれるでしょう。

テキストによるコミュニケーションの場合

2-1. わかりやすい文章を書くスキルを身につける

スキルを身につけると言うと難しい話に聞こえるかも知れませんが、文章を読む相手は、必ずしも自分と同じ背景や前提に立って文章を読むとは限らないということを意識しましょう。例えば以下のお願いの文章を見てみましょう。

悪い例:
ブログの投稿手順書を作成しました。
○日の打ち合わせ前に、少し目を通しておいていただけると助かります。

良い例:
ブログの投稿手順書を作成しました。
○日のレクチャーの時間にすべてを説明すると、予定の時間に収まらないと思います。
打ち合わせの時間節約のため、事前に一通り参照して不明点を挙げておいていただき、当日はその点について主に会話できると助かります。

悪い例では、どういう観点で事前に資料を見ておいてほしいのかが書かれていません。良い例を見ると、発信者側は「時間内にすべてを説明できないから不明点を挙げておいてほしい」という意図があるようですが、悪い例にはそのことは明記されておらず、相手に察させる書き方になっています。これでは当日疑問点は挙がらず、結局イチから資料を見ていくことになっても、発信者は文句を言えません。

文書にしづらい場合は箇条書きでも問題ないと思いますので、受け手の立場で読んだ時に、自身の考えや意図がハッキリと伝わるかを意識しましょう。

2-2. 非言語的な情報が伝わらないという前提に立つ

テキストだけでの情報のやり取りは、相手の表情や声のトーンがわからないため、思った以上に冷たい印象で伝わってしまうものです。場合によっては、それがきっかけになり「○○さんが怖い」「自分は○○さんに信用されていないのではないか」という不信感を抱かれてしまう場合もあります。チャットツールであればスタンプを使用する、表現を多少柔らかくする、オンライン会議でフォローするなど、感情も伝わるように意識しましょう。

また、非言語的な情報とは感情の部分だけではありません。例えばデザインの修正について会話をしている場合に「もっと明るく」とか「〇〇な印象」といったイメージを伝える表現なども該当します。発信者の頭の中には明確なイメージはあるけれども、抽象的な言葉でしか表現できないような場合は、近い印象の写真や画像のURLを貼るなどすれば、テキストだけに比べて格段に正しく情報が伝わります。

2-3. レスポンスを早く返す

オンラインでは受け手側によるリアクションロスになりがちです。情報を受け取った人は、できるだけ早くレスポンスを返すことを意識しましょう。レスポンスが無いと、情報を発信した人は相手が「情報をきちんと見たのか」「見た上で考えているのか」「見た上で次のアクションに進んでいるのか」全くわかりません。

リモートワークの話でよく目にするのが、サボる/サボらないという話題ですが、本質的にはサボる人はオフィスだろうがリモートだろうがサボります。ちゃんと仕事をしているのにサボっているという印象を与えてしまっては、お互いの信頼に影響が出てしまい、結果的にコミュニケーションの問題に発展してしまいますので、レスポンスは早く返すことを意識しましょう。

忙しく、文章で返している余裕が無いという場合はスタンプを利用するとか「後ほど確認してご連絡します」などでも大丈夫です(後から読み忘れないように注意しましょう)。

2-4. 小さなことでも発信する

情報を発信していないと、情報量がゼロになるという話です。自分もやりがちですが、悩んでいる時や考えに行き詰まっている時、意外と自分の中で問答してしまい、情報発信量が下がってしまいます。そうすると周囲の人は「あの人は今何をやっているんだろう」「何も無いということは進んでいるのだろう」と思ってしまいます。悩んでいることには気づいてもらえないのです。

結果的に一生懸命考えたものでも方向性が違っていて険悪になる、ということも起きかねません。 それぞれの様子が見えないというのは、オフィスワークとリモートワークの大きな差です。些細なことでも相談する、進捗の共有を細かく行う(進んでいないなら何に悩んでいるのかも知ってもらう)ことは重要です。合わせて、チャットツールは気軽に書き込みやすい雰囲気を意識して運営しましょう。

オンライン会議によるコミュニケーションの場合

2-5. 話しかけやすい状況をつくる

ここからはオンライン会議における原因と対策です。
オンライン会議はテキストに比べて気軽にコミュニケーションを取れるメリットがありますが、お互いの時間を合わせる必要があるというデメリットがあります。

オフィスワークであれば、相手の様子を見て、今会話できそうなら話しかけるということができますが、オンラインではそうはいきません。お互いに今何をしているのかが見えないので、相手が今話せる状況なのかどうかがわかりません。必要な会話をきちんとできるように、例えば以下のような調整を行いましょう。

  • 予め会話が必要ということがわかっていれば、1日のはじめにアポ調整をする
  • お互いにスケジュールを共有し、不在や立て込んでいる状況がわかるようにする
  • 急な会話は、必ずしも応じてもらえるとは思わないようにする
    必要になった場合は相手の状況を伺い、今は難しいようであれば別途スケジューリングしましょう。

2-6. 声かけのハードルを上げない

オフィスワークであればちょっとした口頭でのコミュニケーションや壁打ち的な会話で、アイデアのヒントを得たりブラッシュアップを行ったりということができたと思いますが、これもオンラインではなかなか難しいです。

2-5で「急な会話が必要になったら状況を伺ってから」とリストで挙げていますが、これが心理的に難しいのです。相手の状況を察するあまり、声をかけにくかったり、相手の反応によって声をかけづらくなったりします。

受け手側が忙しい中で断るのは仕方がないとは言え、無愛想に断ったり、毎回断ったりするような状況だと、以降その人に声をかけるのはやめようという気持ちになってしまいます。忙しいから断るのは全然構いません。でも代替の日程を提示するなど、相手が気持ち良い断り方を心がけ、声かけ自体を躊躇してしまう状況を作らないようにしましょう。 発信者側も、むやみやたらに長時間の会話を行ってしまうと、会話に応じてもらいにくくなったり、受け手は声をかけられることが嫌になってしまったります。時間を決めたり論点を明確にして会話を始めたりするなど、お互い気持ちよく会話ができるよう心がけられると良いですね。

2-7. リアクションは大きくする

画面越しに複数人が並んでいる状況だと、相手の表情や仕草はよく見えないため、話者が話した内容が聞き手にちゃんと伝わっているのかわかりにくくなります。オンラインの場合は通信環境によって話したことが寸断されたりもするため、話者からすると相手の反応がないと「聞き取れなかったかな」と気になりますよね。
また、黙っているのは「理解できない」「意味がわからない」という意思表示とも取れますので、話者の頭にはそういう不安もよぎり、今話している話題に集中できなくなったりもします。

聞き手は相手の話が聞き取れたら、大きく相槌を打ったり、返事を意識的に行ったりして、「ちゃんと聞き取れています」「ちゃんと理解できています」という意思表示をハッキリ行いましょう。

2-8. 一体感の創出を意識する

オンライン会議だと、一堂に会するという状況ではないため、チームの一体感を創出しにくいです。
できるだけ一体感のある雰囲気をつくりだすために、全員が会議に参加しているという状況を設定しましょう。

それぞれカメラやマイクはできるだけミュートにせず(会議を止めてしまうような音が入ってしまう場合はミュートしましょう)、お互いの顔や反応がリアルタイムに見える状態にします。
また、たとえ一部の人がオフィスの会議室に集まって参加できるような状況でも、個別に会議に接続するようにしましょう。オンラインの人からはその場で会話されている事が聞こえづらかったり、疎外感を感じたりしてしまいます。

さらに、当たり前の話ですが、話者の話には全員が集中しましょう。オンラインだと会議とは関係のない作業をしてみたり、メールを確認してみたりしがちです。 一人ひとりが、その会議の参加者だということを意識してカメラに映りましょう。

2-9. 発言しやすい場を意識する

オンライン会議は、話者1人に聞き手が複数人という状況になりがちです。同時に複数人が話すと発言を聞き取りにくくなってしまい、それをお互いが気にしている状況ですのでこれ自体は仕方がないと思います。
また、通信を利用している以上、どうしても若干の遅延がお互いに生じるため、発言のタイミングが読めず、相手の発言に割って入りにくい、誰かと発言がバッティングしてしまい発言しにくい、という状況も発生します。これも今の技術上仕方がありません。

重要なのは、これらの特性を意識した上で、発言しやすい状況を作るということです。話者は都度、確認事項や疑問点が無いかを確認したり、他の発言者がいないかを確認したりしながら話をすすめると良いでしょう。

テキストもオンライン会議も共通

2-10. コミュニケーションを取ることを諦めない

最後にテキストの場合もオンライン会議の場合も共通で、一番の問題は上に挙げたような対策を「時間がかかる」「面倒」だと思い、コミュニケーション自体を諦めてしまうことです。

オンラインかどうかは関係なく、相手にとって気持ちの良いコミュニケーションになっているかを意識することは重要です。そもそも多くのメンバーがリモートワーク下にある状況はこれまでに無かったことなので、最初のうちは時間がかかって当然です。 多少手間がかかっても、丁寧なコミュニケーションを意識することで、気持ちのよいリモートワーク環境を構築することができると思います。

まとめ:オンラインコミュニケーションスキルは磨ける

ここまで見てきたように、オンラインコミュニケーションの失敗は、ほとんどの場合知っていれば回避でき、スキルとして磨いていけるものです。オフィスワークのときには無かった意識が必要かもしれませんが、それだけ大きな変化が訪れたということだと思います。ここに挙げた内容が、みなさんのリモートワーク環境を少しでも良くするヒントになれば幸いです。

この記事を書いた人

荒嶋 英幹

ディレクター/デザイナー HCD-Net認定人間中心設計専門家

定量/定性調査設計、分析、ペルソナやシナリオ作成、UI設計、ビジュアルデザインなどなど、UXデザインプロセス全般に渡って、主に実作業を行っています。その他、行動観察ツールiinaaの開発。

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